過去帳
過去帳とは、その家庭の故人の戒名・俗名・没年月日などを記した、各家庭に伝わる系譜です。お仏壇には、ご本尊さまと一緒に過去帳を供えることが大事です。
お寺ではご本尊の仏さまと同様にとても大事にしているものです。自然災害や火災等でお寺の本堂が崩壊した時でも、仏さまと過去帳があれば僧侶はお経を読みご先祖さまの供養をして、お寺を再建することができます。町内のご住職さまとも、もしもの時のために、仏像や過去帳を運び出すための協力体制を相談しています。
ご家庭用の過去帳は、1日から31日のページがあり、命日ごとに戒名を書きます。ご先祖さまの命日がきたら戒名を読み上げ手を合わせます。
私は先月、やっと小島家先祖の戒名を知ることができました。お寺なのにどうして?と思われるかもしれませんが、世襲になって私で三代目。祖父は東海地方出身で四男でありました。父は幼い頃、田舎へ旅した記憶がある程度で日頃の法務に追われ、また祖父も法務に追われる日々を送りました。お寺には唯一、明治時代の戸籍抄本と父のお兄さんが作成された「家系図」がありました。
戸籍の住所を頼りに、仕事で知り合った東海地方の友人の協力により、本家と電話でお話をさせていただき、ご先祖さまの「戒名」を教えていただいたのです。
過去帳は手に取って、ご先祖さまをより身近に感じるものです。
先日、おじさんの祥月命日で小島家の親戚が集まりました。そこで最近完成した小島家の過去帳を見ていただきました。
それを見たおばさん二人が「あっ、私の誕生日や!」と言われました。一人のおばさんはお婆さんの命日がお誕生日。もう一人はひいお爺さんの命日がお誕生日。実はおばさん達の父親、つまり私のお爺さんも、このひいお爺さんの命日がお誕生日でした。
「私、おばあちゃんの生まれ変わりや言われてたん」とおばさんがお話されました。
過去帳を通して、ご先祖さまの強いつながり、ご縁を身近に感じることができました。
お檀家さんには、お位牌があっても過去帳が無いお檀家さんがおられます。ご先祖さまを大事にするには、必ず過去帳をお仏壇に置いていただくよう、積極的に働き掛けたいと思います。
夏真っ盛り。京都の街は今祇園祭一色に活気付いております。
写真でその風情だけもお届けできれば...
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