お念仏は修行の一つ
仏教の修行といえば「座禅」や「瞑想」のイメージがありますが、浄土宗では「お念仏を称えること」が修行の中心となります。
善導大師様は、極楽往生のための行として「正行」(しょうぎょう)をお示しくださいました。その「正行」を、さらに法然上人様が「五種正行」(「読誦正行」「観察正行」「礼拝正行」「称名正行」「讃歎供養正行」)として組織づけられました。第四の「称名正行」(お念仏)を「正定の業」(しょうじょうのごう)と法然上人様がお示しいただいたことから、特に「お念仏」を心の中心におくのです。
だから法然門下である私達「念仏僧」が、「普段どんな修行をされているのですか?」と問われれば、「お念仏を申すことです」と答えるのであります。
今を生きる、この人間世界は迷いの世界ですから、周りを見渡せば、悪い行いをする人、仏教やお念仏の教えに縁の無い人、悩み苦しむ人がたくさんおられます。その社会の中で、お念仏を称えるからこそ「修行」になるではないでしょうか。
例えば、周りを見渡しても誰もおられないような深い山の中に行けば、心静かにお念仏を申し、ゆったり修行ができるかもしれません。
しかし、善導大師様は繰り返し「願共諸衆生 往生安楽国」と、お念仏で往生できる喜びを一人で味わうのではなく「みんなで行きましょう」と周りの人にお言葉を掛けてくださっています。
阿弥陀様のように分け隔てのない平等な心を持ちながら、色々な苦しみ(毒)を持った人々と接し、どんな人でも必ず救っていただける「お念仏」を相続していく。これが私達の「修行」であり「生き方」だと思うのです。
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